(Music Freak Magazine vol.40 3月号より)


 ニュ−・シングル「遠い空で」を2月にリリ−ス。さらに、春からは全国17カ所のライブ・ツア−を控え、活発な動きを見せるDEEN。そんな彼らが、3月18日、今まで発表してきたシングル14曲とCD化されていなかった「銀色の夢〜All over the world〜」を収録した『DEEN SINGLES+1』をリリ−スする。そこで、music freak magazineでは、メンバ−4人に話を聞いてみた。
 
次へ向かうためのステップとして『DEEN SINGLES+1』をリリ−スしたいという思いが強くなってきた(池森)

●まず『DEEN SINGLES+1』をリリ−スするという話は、いつ頃から出てきたのですか?
池森秀一(以下/池森):「夢であるように」を皆で書き上げたときくらいだったと思います。
●今回『DEEN SINGLES+1』をリリ−スする理由は?
池森:「夢であるように」を書き上げたことで、DEENの音楽性が新しいフィ−ルドに突入したと感じてきたんです。何か、そう…、“DEENの音楽性は一周した”という意識がメンバ−の中で働いてきたんですよ。それに、次へ向かうためのステップとして自分たちのフックになるものがあってもいいんじゃないかって。そうしたら今までの楽曲をまとめてみたいという思いが、だんだん強くなってきたんです。それに、春からはライブ・ツア−も始まりますし、リリ−スするにはちょうどいい時期だと思ったんですよ。
●リリ−ス日は3月18日になるそうですが、93年3月10日にデビュ−してから、丸5年が経過したという区切りの意味としても考えられますね。
池森:確かに、5年という区切りの意味でもちょうどいいタイミングだと思います。でも、それは偶然なんですよ。「夢であるように」を完成させた時点で、デビュ−して5年という意識はありませんでしたから。
●“一周した”というのは、具体的にはどういうことなのですか?
宇津本直紀(以下/宇津本):メンバーの曲に限らず、他の作家の詞、曲などをDEENでやってみたり、4人で共作やアレンジをしたり、とにかく色々な要素や方法をDEENで試してきて“一周した”と思うんです。だからこそ、『DEEN SINGLES+1』という一つの作品に、DEENが色々試してきて得られた結果を目に見える形として発表したいという思いが強くなったというのはあります。それに、若いリスナ−の方の中には「このまま君だけを奪い去りたい」や「翼を広げて」などのデビュ−当時の曲を知らない人もいると思うんです。
山根公路(以下/山根):だから皆さんにDEENをもっと知ってもらうには、良い機会になるのではないかなと思います。5年も経つと小学生の人が中学生になっていたりするじゃないですか。一口に5年と言っても、その時間というのは決して短くない。DEENが歩んできた軌跡というのは、平坦な道ばかりが続いたわけではないし、色々と試行錯誤して、ようやく今の場所にたどり着いたと思うんです。その結晶を一度形にしてみたいという気持ちが、メンバ−の間で強くなっていったからこのアルバムを発表したくなったんでしょうね。
  ●『DEEN SINGLES+1』をリリ−スするにあたって、再レコ−ディングしようとは思いませんでしたか?
田川伸治(以下/田川):『DEEN SINGLES+1』はディスコグラフィ−のような匂いがしていたほうが良いと思ったので、出来るだけオリジナルに近い形で収録しています。
池森:僕個人に関して言えば、やり直したいという部分はあるけど、あえてそのままにしています。それぞれの作品には、その瞬間にしか出せないサウンドがあると思うんです。それぞれ楽曲に、当時の空気やム−ドがそのまま詰まっている。再レコ−ディングして、当時よりも上手くサウンドを表現出来たとしても、それは、現在の僕たちのサウンドであって、それぞれの瞬間を詰め込んだサウンドではない。それに、リスナ−の方にも、楽曲に対する思い入れがそれぞれにあると思うんです。僕たちはそういう曲の雰囲気やリスナ−の方の思い入れだとかを大切にしたかったので、あえてそのまま収録しました。
●あえてそうしたことによって、デビュ−当時と今のサウンドを比べることが出来て面白いですよね。バンドとして段々変化してきた過程が分かりますね。
池森:/確かに、バンドのサウンドは変わってきましたね。でも根本的なエッセンスはまったく一緒だと思います。今のDEENは、誰の作品であっても、DEENのサウンドが出せるようになった。そういう部分でバンドの変化を感じとって頂けると嬉しいですね。
●こうして並べてみると、DEENのシングルはバラ−ドが多いですね。
山根:やっぱりそれは、DEENの魅力が池森の歌にあるからですよ。池森の歌を初めて聴いたときの衝撃が、DEENで音楽を作っていきたいというエネルギ−に変わっているところがありますから。ただ、単純にバラ−ドにすれば、池森のヴォ−カルが生きてくるというわけではなくて、池森の歌にある心だとか魂といった感情的なものを、DEENで表現した結果、バラ−ドという形になっただけなんですよ。例えば、「夢であるように」を純粋なバラ−ドではないけれど、リスナ−の方はバラ−ドという捉え方をすることがありますし…。これは、池森の声が生み出す一つのマジックみたいなものなんだと思う。
●それは、DEENではなくては出せないサウンドが確立されたという証拠でもありますよね。




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